認知症は恐ろしい病気か

f:id:maekens:20200816004415p:plain

こんにちわ、チャッピーです。本日は、認知症はおそろしい病気かということをご紹介させていただきます。

 認知症は恐ろしい?

認知症はおそろしいのか?おそらく認知症の方とあまりかかわったことのない人は、おそろしいと思う人が多いのではないかと感じています。最近では芸能人の恵比寿さんが認知症になったということで、話題になっておりました。メディアでは、認知症になってしまった恵比寿さんは、こんなおかしな症状が出ていますという風に繰り返し報道していました。ここで、実際に認知症に対するイメージ調査を地域住民307名に対して、調査した研究を紹介させていただきます。

認知症のイメージとしては、『他人事』としてとらえた場合、「いやに思う」「関わりたくない」「怖い」「不幸だと思う」等が聞かれ、『自分や家族の事』としてとらえた場合、「自分は認知症になりたくない」「自分の将来を見ているようで不安」等が聞かれました。また、『認知症の人との関わり方』としては、「どのようにしたらよいか想像もつかない」「自分の身内がなったら、うまく対応できるか分からない」などが聞かれました。

出典先:大沢ゆかり・他:地域住民の認知症に対する関心と不安およびイメージの検討.愛知県立看護大学紀要,Vol 13.3 12,2007.

これらのことからも、多くの方は『認知症は怖い』『なったらどうしたらいいか分からない』『認知症の人にどう対応していいか分からない』という思いがあるのが分かります。そして、この『分からない』というものが、漠然とした不安や恐怖を煽るのではないかと思います。

認知症は誰でもなりえる

近年は少子高齢化が急速に進んでいます。2055年には、65歳以上の高齢者が、人口の約40%近くなると推定されています。そうなると、自然に認知症をもった人の人口というものは増えてきます。では、認知症をもった人の人口は、日本でどのくらいいるのでしょうか?その実際のデータを見てみましょう。

f:id:maekens:20200816015753p:plain

 出典先:日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.平成25年度厚生労働科学研究費助成金特別研究事業.九州大学二宮教授より内閣府作成

 このデータによると、2020年時点で、認知症をもった人はおおよそ18%、2025年には20%程度に達するとされています。全人口の約5人に1人が認知症ということになります。

また、年齢別に認知症の方がどれくらいいるのかというデータがあります。

f:id:maekens:20200816021408p:plain

出典先:厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業:都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応,平成21年~24年.

 これを見ると、90歳以上の約60%、95歳以上の約80%の方が認知症になっているということが分かります。かなり多い数字ですよね。

これらのことから、認知症の方は、世の中にたくさんおり、今後も高齢化に伴ってどんどん増えていくことが確実になっています。つまり、認知症は、誰でもなりうる普通の病気であることが分かります。

認知症の人の私の印象

優しい

認知症の人は優しい人がたくさんいます。私たちセラピストの事を心配してくれたり、自分の子供のことなどを気にかけていたりしている人が多いです。昔は怖かったのかな?と思うような人でも、高齢になるにつれて大らかなになる人が多いと思います。

 話が深い

認知症の人は、もちろんですがほとんどが高齢です。そのため、昔経験したことや人生論、生き方など様々な知恵を私たちセラピストに教えてくださります。話をしていると、とても勉強になることが本当に多いです。

可愛らしい

この表現が失礼にあたるのは承知しています。しかし、認知症の人は、物忘れがあったり、何かを失敗したときなどに可愛らしい表情をしたり、仕草をすることが多いです。実際に病院で働いていても、セラピスト、看護師などから「○○さん、かわいい」というのはよく聞かれていたのが事実です。

大変

認知症の人の印象として、大変というのはあります。これはその人がどんな症状が出ているのか、どの程度出ているのかでまるで変ってきます。しかし、我々セラピストは、どう対応すれば本人、セラピストにとって最適かを考えながら実践します。そのため、大変なことももちろんありますが、知識がある分、大変にはなりにくいと考えています。

Conclusion

認知症は誰にでもなる!恐ろしくもないし、認知症の人がいたら、むしろ優しくしてあげてください。なったらどうなるのか分からない、なった人に対応していいか分からないという気持ちから、恐ろしいという気持ちが生まれるものだと思っています。なったらどうすればいいか、どう対応していいかを勉強すれば、認知症は恐ろしくありません。