五十肩の病期を判別する
こんにちは、チャッピーです。本日は、五十肩(肩関節周囲炎)の3つの病期について、ご紹介させていただきます。
五十肩(肩関節周囲炎)は、病期に応じて3つの病期に分けることができます。自分がどの病期か把握していなければ、治療やリハビリテーションの際に、間違った方法をとってしまいます。そうすると、逆に痛みを強めてしまったり、関節が硬くて動かなくなってしまうため、病期の把握はとても大切になってきます。チェックポイントも活用しながら、自分がどの病期に当てはまるのか、実際に確認してください。
五十肩(肩関節周囲炎)の3つの病期
急性期(freezing期)
急性期とは、病期になって初期段階のことであり、痛みが最も強い時期のことです。肩関節の中では強い炎症が起こっていることが予想されます。 期間としては、個人差がかなり大きいですが、1か月~長くても半年程度までであることが多いです。下のチェックポイントに複数当てはまれば、急性期である可能性が高いです。
- 何もしなくても痛みがある(動かすともちろん痛い)
- 特に夜間に痛みが強い
- 触ると少し熱を持っている
慢性期(frozen期)
慢性期とは、病気になってからある程度時間が経過し、痛みが少しずつ減ってきている時期のことです。しかし同時に、急性期の時に痛みが強く、あまり動かせなかった期間があったため、関節の硬さが出現してきます。特に関節の動きが制限されやすい動きとしては、手を上に挙げる、背中に手を回す、小さく前習えの構えから手を外に開く動きです。期間としては、痛みが少し落ち着きだしてから2~5か月程度が多いです。下のチェックポイントに複数当てはまれば、慢性期である可能性が高いです。
- 痛みは少し引いてきたが、動かすと痛い
- 夜間の痛みはなくなっている
- 手を上に挙げる、背中に手を回す、小さく前習えの構えから手を外に開く動きが制限されている
ちなみに、医療分野では、ネズミを実験台にして、よく研究が行われています。ネズミの足をわざとギプスで固定して、関節を動かさないようにさせることで、どれくらいの期間で関節が硬くなるか検証した文献を紹介します。
固定2週間後より、関節前方における脂肪性滑膜~脂肪体の脂肪細胞の萎縮と軽度の線維増生を認め、固定期間が長期に及ぶにしたがい、それらの変化は進行し、固定32週間後には脂肪組織はほとんど認められず、増生した繊維に置き換わっていた。
出典先:渡辺昌規・他:関節拘縮における関節構成体の病理組織学的変化-ラット膝関節長期固定モデルを用いた検討-.理学療法科学,2007,22(1):70.
この研究によると、だいたい2週間くらいで硬さが出現(組織の変性が起きはじめる)し、32週にもなると、繊維に置き換わってしまうことが示されています。関節が繊維組織になってしまうと、そこからの改善はかなり難渋します。
回復期(thawing期)
回復期とは、痛みがかなり軽減、もしくは消失しており、関節の動きも柔らかくなっている時期のことです。この時期になると、精神的にもかなり楽になっているかと思います。下のチェックポイントに複数当てはまれば、回復期である可能性が高いです。
- 痛みはほとんどなくなっている
- 関節の動きも正常に近づいている
- 精神的にもあまり気にならなくなっている
Conclusion
今回は、五十肩(肩関節周囲炎)の病期を自分で判別する方法をご紹介させていただきました。病期別のリハビリテーションの方法は、また別のブログでご紹介させていただきます。