整体、接骨院、整形外科、病院の違いは?どこに行けばいい?
こんにちは、チャッピーです。本日は、整体、接骨院、病院の違いや、それぞれのメリット、デメリットなどのご紹介をさせていただきます。
整体とは
整体とは、日本語では主に手技を用いた民間療法、代替医療を指す。アメリカで誕生したカイロプラクティック、オステオパシー、スポンディロセラピーなどと日本古来の手技療法を組み合わせたものを、整体や指圧と名付けたのが始まりのようである。
出典先:フリー百科事典:Wikipedia.最終更新2020年7月12日(日)06:35UTC.
皆さん一度は聞いたことがあると思われる『カイロプラクティック』や『骨盤矯正』などと看板を掲げているものは整体にあたります。整体では、主に施術者が利用者の体を触って、体の調子を整えるというような形になります。整体の特徴は、民間療法であるということです。そのため、国家試験などの資格も持っている方はいないということになります。その分、いろいろな団体があり、思想も違えば、治療の手技、手法などに幅があります。そのため、どの整体に行くかによって、治療の内容や効果も変わってくるようです。また、民間医療であるため、保険適応外となっており、料金は比較的高いことが多いです。医者がいないため、医師による診察、レントゲン撮影などの行為は行えません。
整体のメリット
- 様々な手技、手法があるため、自分に合ったものに変えることができる
整体のデメリット
- 料金設定バラバラであり、平均して高め(5000円~6000円が多い)
- 国家資格を持っていない
- 医師の診察、レントゲン撮影などは行えない
接骨院とは
接骨院とは、厚生労働省が定める施術所のうち、柔道整復師が日本の伝統医学の1つである柔道整復術を行う施設。各種法令では、「柔道整復の施術所」と表現されるが、一般的には「接骨院」と呼ばれることが多い。俗に接骨院、ほねつぎとも呼ばれる。
出典先:フリー百科事典:Wikipedia.最終更新2019年12月23日(月)16:20UTC.
接骨院という言葉もよく聞かれる言葉です。接骨院は、柔道整復師という国家資格を所有した専門家が骨折や捻挫、打撲などの治療を実施します。施術に加えて、電気治療や温熱療法などの物理療法を受けることが出来ます。医師はいませんが、骨折や脱臼に関しての治療の際は、病院等の医師の事前診察が必要とされています。保険は適応になる病気と、適応にならない病気があります。具体的に保険適応となる病気は、打撲や捻挫などの急性期などがあります。保険適応とならない病気は、肩こりや慢性的な腰痛などです。
接骨院のメリット
- 国家資格を持った専門家が治療をしてくれる
- 打撲、捻挫などの怪我は保険適応になる
接骨院のデメリット
- 肩こり、腰痛などの病気は保険適応外になる
整形外科・病院とは
○○整形外科、○○病院というのは、ほとんど同じような治療内容、料金になることが多いです。特徴としては、双方とも国家資格を持った理学療法士、作業療法士がいるということです。また、医師による診察やレントゲン、CT、MRI撮影やエコー検査、注射療法、湿布や薬の処方などを受けることが可能です。医師がリハビリテーションが必要であると判断した方に対して、理学療法士、作業療法士は医師の指示に基づいたリハビリテーションを提供しています。整形外科に比べて、病院の方が理学療法士、作業療法士の人数自体は多いことがほとんどです。保険は適応になります。
整形外科・病院のメリット
- 国家試験を持った専門家が治療をしてくれる
- 医師による画像診断や注射療法、薬の処方などがある
- 基本的に保険適応になる。
整形外科・病院のデメリット
- 医師が不要と判断した場合はリハビリテーションが受けれないことがある(肩こりのみなどは受けれないことが多いです)
共通していえること
どこに行ったとしても、どんな施術者(専門家)が担当になるかは分からないことが多いと思います。そのあたりの熟練度の違いや、患者様との相性などもあるかと思いますので、それは行ってみなければ分からないところになります。
Conclusion
それぞれのメリット、デメリットがお分かりいただけましたか?私は元々病院勤務でしたが、どこが一番良いとはいえません。(勝手に言い切ってはいけないと思っています。)それぞれの特徴を踏まえて、どこに行くか決めていただけると幸いです。
認知症は恐ろしい病気か
こんにちわ、チャッピーです。本日は、認知症はおそろしい病気かということをご紹介させていただきます。
認知症は恐ろしい?
認知症はおそろしいのか?おそらく認知症の方とあまりかかわったことのない人は、おそろしいと思う人が多いのではないかと感じています。最近では芸能人の恵比寿さんが認知症になったということで、話題になっておりました。メディアでは、認知症になってしまった恵比寿さんは、こんなおかしな症状が出ていますという風に繰り返し報道していました。ここで、実際に認知症に対するイメージ調査を地域住民307名に対して、調査した研究を紹介させていただきます。
認知症のイメージとしては、『他人事』としてとらえた場合、「いやに思う」「関わりたくない」「怖い」「不幸だと思う」等が聞かれ、『自分や家族の事』としてとらえた場合、「自分は認知症になりたくない」「自分の将来を見ているようで不安」等が聞かれました。また、『認知症の人との関わり方』としては、「どのようにしたらよいか想像もつかない」「自分の身内がなったら、うまく対応できるか分からない」などが聞かれました。
出典先:大沢ゆかり・他:地域住民の認知症に対する関心と不安およびイメージの検討.愛知県立看護大学紀要,Vol 13.3 12,2007.
これらのことからも、多くの方は『認知症は怖い』『なったらどうしたらいいか分からない』『認知症の人にどう対応していいか分からない』という思いがあるのが分かります。そして、この『分からない』というものが、漠然とした不安や恐怖を煽るのではないかと思います。
認知症は誰でもなりえる
近年は少子高齢化が急速に進んでいます。2055年には、65歳以上の高齢者が、人口の約40%近くなると推定されています。そうなると、自然に認知症をもった人の人口というものは増えてきます。では、認知症をもった人の人口は、日本でどのくらいいるのでしょうか?その実際のデータを見てみましょう。
出典先:日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究.平成25年度厚生労働科学研究費助成金特別研究事業.九州大学二宮教授より内閣府作成
このデータによると、2020年時点で、認知症をもった人はおおよそ18%、2025年には20%程度に達するとされています。全人口の約5人に1人が認知症ということになります。
また、年齢別に認知症の方がどれくらいいるのかというデータがあります。
出典先:厚生労働科学研究費補助金,認知症対策総合研究事業:都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応,平成21年~24年.
これを見ると、90歳以上の約60%、95歳以上の約80%の方が認知症になっているということが分かります。かなり多い数字ですよね。
これらのことから、認知症の方は、世の中にたくさんおり、今後も高齢化に伴ってどんどん増えていくことが確実になっています。つまり、認知症は、誰でもなりうる普通の病気であることが分かります。
認知症の人の私の印象
優しい
認知症の人は優しい人がたくさんいます。私たちセラピストの事を心配してくれたり、自分の子供のことなどを気にかけていたりしている人が多いです。昔は怖かったのかな?と思うような人でも、高齢になるにつれて大らかなになる人が多いと思います。
話が深い
認知症の人は、もちろんですがほとんどが高齢です。そのため、昔経験したことや人生論、生き方など様々な知恵を私たちセラピストに教えてくださります。話をしていると、とても勉強になることが本当に多いです。
可愛らしい
この表現が失礼にあたるのは承知しています。しかし、認知症の人は、物忘れがあったり、何かを失敗したときなどに可愛らしい表情をしたり、仕草をすることが多いです。実際に病院で働いていても、セラピスト、看護師などから「○○さん、かわいい」というのはよく聞かれていたのが事実です。
大変
認知症の人の印象として、大変というのはあります。これはその人がどんな症状が出ているのか、どの程度出ているのかでまるで変ってきます。しかし、我々セラピストは、どう対応すれば本人、セラピストにとって最適かを考えながら実践します。そのため、大変なことももちろんありますが、知識がある分、大変にはなりにくいと考えています。
Conclusion
認知症は誰にでもなる!恐ろしくもないし、認知症の人がいたら、むしろ優しくしてあげてください。なったらどうなるのか分からない、なった人に対応していいか分からないという気持ちから、恐ろしいという気持ちが生まれるものだと思っています。なったらどうすればいいか、どう対応していいかを勉強すれば、認知症は恐ろしくありません。
五十肩の病期を判別する
こんにちは、チャッピーです。本日は、五十肩(肩関節周囲炎)の3つの病期について、ご紹介させていただきます。
五十肩(肩関節周囲炎)は、病期に応じて3つの病期に分けることができます。自分がどの病期か把握していなければ、治療やリハビリテーションの際に、間違った方法をとってしまいます。そうすると、逆に痛みを強めてしまったり、関節が硬くて動かなくなってしまうため、病期の把握はとても大切になってきます。チェックポイントも活用しながら、自分がどの病期に当てはまるのか、実際に確認してください。
五十肩(肩関節周囲炎)の3つの病期
急性期(freezing期)
急性期とは、病期になって初期段階のことであり、痛みが最も強い時期のことです。肩関節の中では強い炎症が起こっていることが予想されます。 期間としては、個人差がかなり大きいですが、1か月~長くても半年程度までであることが多いです。下のチェックポイントに複数当てはまれば、急性期である可能性が高いです。
- 何もしなくても痛みがある(動かすともちろん痛い)
- 特に夜間に痛みが強い
- 触ると少し熱を持っている
慢性期(frozen期)
慢性期とは、病気になってからある程度時間が経過し、痛みが少しずつ減ってきている時期のことです。しかし同時に、急性期の時に痛みが強く、あまり動かせなかった期間があったため、関節の硬さが出現してきます。特に関節の動きが制限されやすい動きとしては、手を上に挙げる、背中に手を回す、小さく前習えの構えから手を外に開く動きです。期間としては、痛みが少し落ち着きだしてから2~5か月程度が多いです。下のチェックポイントに複数当てはまれば、慢性期である可能性が高いです。
- 痛みは少し引いてきたが、動かすと痛い
- 夜間の痛みはなくなっている
- 手を上に挙げる、背中に手を回す、小さく前習えの構えから手を外に開く動きが制限されている
ちなみに、医療分野では、ネズミを実験台にして、よく研究が行われています。ネズミの足をわざとギプスで固定して、関節を動かさないようにさせることで、どれくらいの期間で関節が硬くなるか検証した文献を紹介します。
固定2週間後より、関節前方における脂肪性滑膜~脂肪体の脂肪細胞の萎縮と軽度の線維増生を認め、固定期間が長期に及ぶにしたがい、それらの変化は進行し、固定32週間後には脂肪組織はほとんど認められず、増生した繊維に置き換わっていた。
出典先:渡辺昌規・他:関節拘縮における関節構成体の病理組織学的変化-ラット膝関節長期固定モデルを用いた検討-.理学療法科学,2007,22(1):70.
この研究によると、だいたい2週間くらいで硬さが出現(組織の変性が起きはじめる)し、32週にもなると、繊維に置き換わってしまうことが示されています。関節が繊維組織になってしまうと、そこからの改善はかなり難渋します。
回復期(thawing期)
回復期とは、痛みがかなり軽減、もしくは消失しており、関節の動きも柔らかくなっている時期のことです。この時期になると、精神的にもかなり楽になっているかと思います。下のチェックポイントに複数当てはまれば、回復期である可能性が高いです。
- 痛みはほとんどなくなっている
- 関節の動きも正常に近づいている
- 精神的にもあまり気にならなくなっている
Conclusion
今回は、五十肩(肩関節周囲炎)の病期を自分で判別する方法をご紹介させていただきました。病期別のリハビリテーションの方法は、また別のブログでご紹介させていただきます。
五十肩はなぜ起こるか?
こんにちわ、チャッピーです。本日は五十肩について、ご紹介させていただきます。
五十肩(肩関節周囲炎)とは
- 『あれ?最近肩が上がらない』
- 『肩を動かすと痛みがある』
- 『夜寝るときに肩が痛い』
このような症状はありませんか?
2つ以上当てはまれば、五十肩である可能性が非常に高いです。
五十肩(ごじゅうかた、英: frozen shoulder)は、肩の痛みと運動制限をきたす疾患。四十肩とも。正式には肩関節周囲炎(英: shoulder periarthritis)という疾患群のことで、肩関節の周囲に起こる炎症のこと。
出典先:五十肩:フリー百科事典ウィキペディア日本語版.最終更新2020年3月22日(日)02:11UTC
五十肩、もしくは四十肩ということもありますが、正式には肩関節周囲炎といいます。(50歳、40歳で発症することが多いからこの名称だと思いますが、全然70歳とかの方も多いです)
『肩関節』+『周囲の炎症』なので、肩関節にある組織のどこかで炎症が起こることが、肩関節周囲炎です。肩関節は非常に複雑な関節であり、複数の組織に炎症があることが多いです。また、実際には炎症はあまりないが、組織同士がくっ付いてしまっていたり、筋肉が過剰に緊張していたりして、痛みがある方もいます。五十肩(肩関節周囲炎)は、いくつかの種類に分けることが出来ると言われています。具体的にどんな種類があるのか、ご紹介します。
五十肩(肩関節周囲炎)の種類
肩峰下滑液包炎
肩峰下滑液包とは、肩関節の肩甲骨、上腕骨の間にある、中に液体状のものが入った袋状の組織です。役割としては、肩を動かしたときに、肩甲骨と上腕骨がぶつからないようにする潤滑剤のような存在です。この組織の炎症があることを、肩峰下滑液包炎といいます。
烏口突起炎
肩甲骨には前方に『烏口突起』という突起があります。ここには様々な靭帯、筋肉がついており、その靭帯や筋肉に骨が引っ張られることによって、炎症が起こります。
上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋とは、いわゆる力こぶの筋肉です。この筋肉は肩まで伸びています。だんだんと筋肉が細くなって、腱になるところ(赤丸)はかなり痛みやすい部分であり、この部分での炎症が上腕二頭筋長頭腱炎です。
石灰沈着性腱板炎
肩関節にある棘上筋という筋肉に石灰(石のようなもの)が溜まることで炎症を起こします。レントゲンなどで白く映ります。
五十肩(肩関節周囲炎)の原因
加齢
年齢をとると、肩の周辺の筋肉、靭帯の劣化(変性)が起こります。劣化が起こることによって、肩の運動が不安定になり、一部の組織にのみ負担がかかったり、組織の挟み込みが起こって、炎症が起こります。
肩の使い過ぎ
肩をたくさん使う仕事、重いものをもつ仕事をされている方は、炎症が起こりやすいといえます。また、出産後に子供を抱っこしすぎて、痛める方も多いです。
肩の使わなさすぎ
デスクワークの方に特に多いですが、肩をあまり使わない、動かさないと、肩の周辺の筋肉の筋力低下が起こります。また、筋肉は適度に動かさなければ、硬くなります(いわゆる肩こりも含まれます)。そうなると、肩の運動が不安定になり、一部の組織にのみ負担がかかったり、組織の挟み込みが起こって、炎症が起こります。
姿勢
姿勢が悪い、いわゆる猫背姿勢では、手の挙げ方が変わります。実際に行っていただくと、猫背の方が手が、最後まで上がらないのが分かると思います。このような姿勢が長期に渡って続くと、肩の炎症につながります。
conclusion
本日は五十肩(肩関節周囲炎)の種類、原因についてご紹介させていただきました。色々な方に当てはまる原因が多いかと思います。リハビリテーションの方法は、また別のブログでご紹介させていただきます。
自己紹介
はじめまして。チャッピーです。
わたくしは東海地方の某病院にて勤務していた、作業療法士です。
病院勤務の時は、主に整形外科領域の入院患者様、外来通院患者様のリハビリテーションを行っていました。
また、研究活動、学会発表などにも取り組んでいました。
現在はフリーランスとして、ブログを書いたり、動画編集をしたりしています。
(というかこれから頑張っていきます。)
このブログでは、健康に関する話、医療の話、私が経験した話、最新の論文などの情報を、出来るだけ分かりやすくお伝えさせていただこうと思っています。
最近はテレビや新聞などのメディア、SNSなどで様々な情報が行き交っておりますので、なるべく科学に基づいた、根拠のある情報をお伝えできればと思っています。
よろしくおねがいします。